常日頃、手みやげには気の利いたものを選びたいと思っている。この時季ならば、鮎菓子などをシャラリと持って行きたい。そして手渡す時、こう言うのだ。
「何がお口に合うかわかりませんでしたので、そういえば6月は鮎の季節だなと思いまして。蒸し暑いこの時節、鮎が泳ぐ清流の涼やかさを感じていただけたらと…」などと、若鮎のごとき凛とした清々しい笑みとともに。
この菓子の中に入っている“求肥(ぎゅうひ)”は、蒸した白玉粉に砂糖と水飴を加えて練り固めた菓子で、福井県名物の羽二重餅も求肥菓子。昔は黒や赤の砂糖を用いたので、その色が牛の皮に似ていることから「牛皮」と書いたそう。モチモチの食感とライトな甘さが気に入っている。
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