ハイセンスなクリエイターたちの
「私らしいクリスマスのカタチ」
アーティスト イザベル・ボワノさん
様々なトレンドから自分にあったモノを取り入れ、長く愛用する。そんな自分らしいライフスタイルを追求しつづけるパリジェンヌは、どんなクリスマスを過ごし、何を大切にしているのでしょうか。アーティストとして国内外で活躍されているイザベルさんにお話を伺いました。
1976年フランスに生まれる。アングレームの美術学校を卒業後、イラストレーションと出版の分野で活動を開始する。2010年からは日本でも個展やワークショップ、企業とのコレボレーションなど、さまざまなプロジェクトを通して活動の場を広げている。現在『&Premium』誌(マガジンハウス)にて、パリについての記事を連載中。
クリスマスシーズンのパリは、とにかく街全体がクリスマスの装飾で溢れています。イルミネーションがとても綺麗で、例えるなら街が魔法にかかっているような感じ。クリスマスの準備のために皆たくさん買い物をするので、日中は大きな買い物袋を持ち歩く人でいっぱいです。
12月の間はパリのあちこちでクリスマスマーケットが開かれていて、地域の名産品や工芸品がたくさん売られています。サンタクロースと触れ合えるイベントもあるので、子供たちはお菓子をもらったり、一緒に写真を撮ったりして楽しんでいますよ。
フランス人にとってのクリスマスは伝統的なお祭りという意味合いが強いので、日本でいうお正月のように古くからのしきたりを大切にしています。なので、クリスマス当日は家族で集まって、一緒に食事をしながら和気あいあいと過ごすケースがほとんどですね。
私はクリスマスシーズンに行く市場が特に大好きです。果物や野菜、お肉にお魚、チーズとそれぞれに合うワイン…、皆で食事を楽しんでいるシーンを想像しながら、いろんな食材を買い占められるのが醍醐味ですね。特にアリーグル市場とラスパイユ市場は、オーガニック系の品目が充実していてオススメです。他には、ラ・グランド・エピスリー(大型の食品館)をいろいろ巡って、チョコレートやクリスマスティーなどグルメギフトを選ぶのも楽しいですよ。
私たちフランス人はなるべくフランス産のオーガニック食材を摂るよう心がけているので、クリスマス当日に食べる料理も質のいい食材でつくるようこだわっています。そういう意味ではパリジェンヌのクリスマスって結構グルメな印象が強いかもしれませんね。
前菜からデザートまで品数も豊富。野菜はサラダやコンフィにして、メインとなる肉料理は七面鳥と栗を一緒にグリルするのがとても美味しいんですよ。エビや牡蠣などの魚介類を食べることも伝統的なスタイルです。料理ごとにワインやシャンパンをあわせて一緒に楽しむと最高!お酒にあうチーズをプレートで用意するのも欠かせませんね。
デザートは少なくとも2種類は用意します。ブッシュ・ド・ノエルやクグロフ(帽子のような形をした干しぶどう入りのブリオッシュ)など皆で取り分けるものや、手軽に楽しめるトリュフ、マンディアン(溶かしたチョコにナッツなどを散りばめて再び固めたもの)が定番です。
牡蠣やエビ + ミュスカデ
ミュスカデはムロン・ド・ブルゴーニュ種から
造られる白ワイン。
キリっとさわやかな酸味が魚介類と相性バッチリ!
栗と七面鳥 + ピノ・ノワール
ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方が
名産の赤ワイン。
フルーティーでなめらかな味わいが
七面鳥の旨味を引き立たせます。
チーズ・プラッター + ピノ・ノワール
ライトな口当たりのピノ・ノワールは
芳醇なチーズともよく合います。
お好みのチーズをプレートにのせて、
あなただけのマリアージュを探してみては?
チョコレート + シャンパン
トリュフやマンディアン などのチョコレートには、
シャンパンがおすすめ!甘さと辛さを兼ね備えた
大人のデザートで締めくくりましょう。
こだわりはたくさんあるのですが、例えばパーティーをする時間帯によって光の取り入れ方を変えるようにしています。昼食のときは薄めのカーテンで光を和らげて落ち着いた雰囲気に、夕食のときは少しろうそくを灯して柔らくあたたかい雰囲気に、といった感じですね。
テーブルコーディネートも工夫しています。テーブルクロスとナプキンの色味をあわせたり、お花を添えて少し華やかさを足したり。アンティークなフランスの食器と一緒に、日本で買ったプレートやボウルの組み合わせも楽しんでいますよ。
街に出かけるとインスピレーションをたくさん得られると思います。日本には優れた芸術、工芸品、食べ物、自然がたくさんあるので、そういった日本のいいところを取り入れられるとより素敵ですね。
クリスマスの準備をしているときが私は一番好き。今年は両親の家で、兄弟や子供たちとクリスマスを過ごすつもりなので、それが魔法のような時間になるように入念な支度をします。もちろんサンタクロースみたいにたくさんのプレゼントを用意することも忘れずにね。
私にとってクリスマスは家族でお祝いをする大切な日です。冬の始まりに感謝して、贈り物とごちそうを準備して、それを家族みんなで楽しく囲むことがずっと変わらない最高のカタチです。
そして「優しさ」「こだわり」「真摯さ」を持つ日本の皆さんのクリスマスも、きっと魅力が詰まった素晴らしいクリスマスなんだろうなと思っています。
Merci, Passe un bon Noël! (よいクリスマスを)
—パリジェンヌのクリスマスは「伝統を大切にする心」と「家族への愛」で溢れていましたね。だからこそ、パリのクリスマスはキラキラ輝いているのかもしれません。ちょっと凝った料理を用意して、お酒と雰囲気に酔いながら大切な人とまったり過ごす「パリ流クリスマス」、あなたのクリスマスピースに取り入れてみてはいかがでしょうか?
オーナメントや料理など、クリスマスアイテムがたくさん散りばめられた素敵なデザインに仕上がりました。プレゼントや自分へのご褒美をかわいく包んで、クリスマス気分に浸りましょう♪